竹村健一氏の主宰する、「ワールド・ワイド竹村」「視点」(2007.08.08.刊 )、「日本の未来を担うリーダー」を読んで驚愕した。 (http://ww-takemura.com/fr_siten_1_t.html)
アメリカの大学で博士号を取得する学生の数が「日本80人に対して中国は2000人」だと云う。
考えるにこの差は、
(1. 中国人にとって英語は吸収しやすい言語である
中国語と英語は語順が一緒で、日本人が最も苦手とする発音にかけても中国人は日本人よりも長けている
よって、中国人は英語に対して親和性が高く、日本人よりも吸収力が高く、英語の学習能力について一日の長がある
(2. 日本人のハングリー精神の欠如 (=知識欲の欠乏)
戦時中は書物の携帯は厳罰ものだったため、教室から駆り出された学徒たちは動員先の工場で、最前線の特攻機地の片隅で、ひそかに忍ばせた文庫本が寸暇を惜しんでむさぼり読んだそうである。
また戦後、河上肇氏が『貧乏物語』を発刊した頃、発刊を待ちきれない労働者をはじめとする民衆が列をなしてその本を買い求めようとしたといいます。
活字に飢えて知識欲旺盛だった時代に比べ、今の若者は必要最小限度の知識欲しか持ち合わせていないように思います
(3. 日本はこれまで博士号取得者を上手に活用できなかった
よって「博士号取得者といっても社会で役に立たないじゃないか」との批判が巻き起こり、公費が出なくなり、私費学生が多くなった
が原因として挙げられます。
アメリカは国籍がどこであれ、優秀な人材が集えば、
「そこがアメリカの素晴らしいところなのだ」
と胸を張って、優秀な人材の求心力となる自分の国家と、招かれてきたその優秀な人材を褒めたたえます。
アメリカの西海岸には、日本のような偏狭なナショナリズムはありません。
いづれ近い未来、中国国籍の優秀な学生がアメリカの政治・経済の重要なポジションを占め、日本は蚊帳の外に置かれてしまうことでしょう。
また、竹村氏のコラムによると、博士号を取得した中国人で帰国を望むのは1割程度であるといいます。
これは、中国人学生が言論統制が存在し、自由がなく、民主主義が根づかず、行動にさまざまな制約のある中国社会に戻ることを嫌がっているためでしょう。
これから考えられるのは、中国は人材を呼び戻すために自由化をさらに推し進め、優秀な学生を中国に戻ってきてもらうために、中国政府はアメリカに渡った中国人学生をパイプ役として、アメリカ主導のもとで米中の絆を深めることに尽力することが予測されます。
では仮に、ジャパン・ナッシングとなった場合、日本のこれからの役割はどのようになるか、というと、
『日本の選択』(ビル・エモット、ピーター・タスカ共著)で、「かつてはジャパン・バッシング、15年前はジャパン・パッシング、これからはジャパン・ナッシングにならないように気を付けてください」との警告があったが、そうならないように、
韓国が今現在、ITの実験国家(インターネット投票・株式の大衆化等)となっているように、
世界で最も先駆的で画期的な政策をおこなう模範国として認識されるよう、世界の叡智を集結し、どのような国家運営が理想か、国民と政治家、財界がお互いが試行錯誤しながら国家運営をすることによって、日本の存在感を高める方策しかないと思うのですが、如何でしょうか。
いくら世界に冠たる債権国だと対外的に誇ってみても、自国民の信頼を得られないような政治、あるいは諸外国の人々が眉をひそめるような事象がたくさん起こるような国では対外的な信用は得られません。
「100歳までの長寿の者多数にして、中高年は仕事にいそしみ、若者の活力満ち溢れ」と評される国に変わって欲しいものだと、一庶民として希望してやみません。
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