Sunday, May 20, 2007

忙しい方にお薦めの一冊

小学館「本の窓」2007年6月号から抜粋、要約:

「日本語を愛する~人間関係を豊かにする~」

1.「日本語力を鍛え優しさを身につける」山川健一氏(作家)
(以下、部分要約)

「腹に据えかねる」という言葉から「キレる」という言葉の変遷から、時代がすすむにつれその部位が「腹」から「頭」へと上に移動していると論ずる。

また、ポップソングの変遷から情景描写が消え(=メタファー、暗喩)、ストレートなメッセージ(=直喩)が巷にあふれることになったと説く。

最後に、ヴァージニア工科大で32人射殺したチョ・スンヒ容疑者がNBCテレビに送りつけた犯行声明はあきれるほど稚拙なものだったという。

描写力、表現力が弱まっているのは日本に独自の現象ではないかもしれない、と結論づける。


2.「新しい共同体のために必要な日本語教育」平田オリザ氏(劇作家・演出家)
(以下、要約)

オリザ氏は「社会の重層性」と「言葉の重層性」を関連付けて説く。

社会の重層性とは少数意見の尊重であり、江戸時代の歌舞伎のように家族で一日がかりでエンターテーメントを楽しみ父親が薀蓄を語るような行為であると語ります。

重層性の少ないサルの社会では、ボキャブラリーが少なくて、威嚇の言葉とか勝ち負けを表す言葉くらいしかないそうです。

地域社会も床屋を例に挙げ、かつて昼間っから将棋をさしているおじさんがいたりしたコミュニティスペースであった床屋が、経済の効率化のため人がいては困る場所になってしまったと語る。

最後に、「国語」とい授業を「ことば」と「表現」という授業の二つに分けた方がいいという非常に刺激的な意見を説いておられます。

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