Thursday, April 05, 2007

優雅な団塊貴族はモノいう株主に

団塊とは「堆積岩中に存在する、周囲より硬いかたまり(大辞泉)」のこと。

通商産業省の鉱山石炭局に勤務していた堺屋太一さんが、この鉱業の用語から「団塊の世代」と名付けたそうです。

私は証券会社のまわし者でもなんでもないのですが、ドラッカーの予言した「世界の資本主義市場の行き着く先を“年金ファンド型社会主義”」といった言葉を日本で実現するのは、今年から会社をリタイアする団塊の世代ではないかと思いました。

イギリスの大学に留学していた大学の恩師が、

「イギリスの貴族は、資産を株で運用して、ポロをやりながら、株で儲けた部分を生活費にあてて暮らしているんだ」

と聞いて驚いたことがあります。

まず、社会の範たるべき貴族が遊んで暮らしていること。

「労働こそ善」と信じていた私にとっては大きなショックでした。

次に、資産を株で運用していること。

昔、「住友マンは浮利を追わず」などという格言があったくらいで、株で資産を運用して着実な利益が得られるのか?

という疑問でした。

しかしながら、外国の株式市場の本を読んで、退職金が入ってきて第三の人生を歩む団塊の世代こそが、個人投資家の利益を代表する団体の代表になってくれるのではないかと思いました。

まず、団塊の世代の方々が同僚と話し合って、退職した会社の株式を株主提案権(総株主の100分の1の株式を保有する、または300個以上の議決権をもつ)が得られるくらい保有する。

そして、送られてくる決算書を見て、OBからの眼から見て会社の運営面でおかしいなとか、こうしたら利益が上がるのではないか、という建設的な意見を株主総会で提案して、期間内での回答を求める。

会社からみれば、うるさい株主が増えると思うかもしれないが、元社員からみた指摘や改善策は、経営陣の盲点を突く貴重な意見となり、事故が起こる前の転ばぬ先の杖となるかもしれない。

また、会社のOBに大量の株式を持ってもらえれば、外資の銀行やら証券会社から身を守る防御策にもなるかもしれない。

団塊の世代は、モノいう株主として社会を再活性化する役割を果たすのです。

団塊の世代の命名者である堺屋太一さんは、これから大量退職を迎える団塊の世代に対して、

「これまで、団塊の世代はへたに社会のために、と考えてきたから逆に失敗したんです。これからは、社会のためとか考えずに、ひたすら自分のことだけを考えて行動すればいいんです」

とおっしゃっていました。

自分が買った株の価値が下がって損をしたという憤りから、会社の決算書や経営者の見通しを知り、それについて制度に則ったかたちで提言する。

しかし、個人では出来ることが限られている。そこで、昔、同じ釜の飯を喰った仲間同士で会社に対する改善書を書いてみる。

そういった横断的な組織をつくることが出来るのは、団塊の世代しかいないと思いますが、如何でしょうか?

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